決算公告は必要か

合同会社で決算公告は必要か

合同会社とは会社法の改正によって新しく設けられた会社の形態です。設立までの準備期間が株式会社に比べて短く、設立費用も半分程度で済みます。このためスピーディに会社を立ち上げたい方にとっては重宝する形態と言えます。一方で、合名会社・合資会社は出資者の責任が無限責任になることに対して、合同会社は株式会社と同様の有限責任となります。このように合同会社は株式会社の良い点を持っている部分もあり、特に少人数で新規事業を起こすために会社を立ち上げるなどには最適です。

では本題の合同会社での決算公告は必要かという点ですが、まず合同会社に決算公告の義務はありません。そのため、株式会社と同様に毎年決算時に会社の決算書を公表することは不要です。これは合同会社のメリットの特徴として挙げられています。

しかし実際のビジネスシーンを想定すると、新規にあなたの会社と取引を検討している会社があると仮定します。その会社はあなたの会社がどういう会社なのか、経営状況はどのような状況なのかを調査してから取引の打診をしたいと考えるはずです。その際に、決算公告をしておくと、経営状況が一目でわかり、公告を出して公開しているという安心感・信頼感にもつながります。もちろん、個別に取引先に経営状況やビジョンを都度説明すれば良いのですが、前もって公告に公開しておくことで、新規開拓のファーストコンタクトが得やすくなるという効果も期待できます。

では公告の方法はどのような種類があるのでしょうか。最も一般的なのは官報です。会社設立時に定款を作成する際に、「当社の公告は官報に掲載する方法で行う」と定めた方が多いと思われます。官報への掲載料は約3万円からとなっており、最も安価な掲載方法です。

その他には日刊新聞に掲載する方法があります。日刊であることが必須であり、夕刊や月刊新聞は不可です。また総合新聞であることも必須であるため、スポーツ新聞や業界新聞も不可です。一方で、地方の総合新聞への掲載は可能です。費用は各新聞会社によって異なりますが、数十万から数百万円となります。

またインターネットの自社ホームページでの公開という方法もあります。こちらは一見すると、費用がほとんどかからないように見えますが、公告が適法に行われたかどうかを調査機関に委託する必要があります。この費用が数万円から数十万円かかることになります。

以上から公告のメリットと費用面も配慮すると、合同会社を立ち上げたばかりで、ビジネスが軌道に乗るまでは決算公告は不要と考えます。公告の費用も事業資金にまわし、まずは会社を運用していくことに力を注ぎます。そして軌道に乗り始めたら、公告の運用を検討し、さらなる顧客を呼び込むというプロセスが良いでしょう。